ウルトラQ(7) ~少年がガラダマを見つけた頃、太陽の黒点とは関係ないデリンジャー現象が起こり、各地の短波通信が不通になるという騒ぎが起こっていました・・・

今回は第13話『ガラダマ』を取り上げます。

監修;円谷英二
脚本;金城哲夫
特殊技術;的場 徹
監督;円谷 一

◆子供達が、リヤカーに乗せて何かを運んできた。見かけは隕石だと思われたが、その大きさと軽さにビックリする担任の大木先生。確かに空から降ってきたと主張する、守少年。

幅が1メートル程もあるのに、重さが非常に軽くて小学生の子供でも軽々持ちあげられる。これは貴重な隕石だと思った大木先生は、東京の知り合いに問い合わせして、東南大学物理学教室で分析してもらうことになった。

一の谷博士によって分析されたその隕石は、つい最近リビア砂漠で発見されて「チルソナイト」と命名された鉱物と同種のものである、という結論に至る。「チルソナイト」は宇宙から飛来した物体であることに間違いないという結論が学会では出ており、宇宙人によって作られた可能性が高いという。

しかも、この隕石からは怪電波が出ていることが判った。一の谷博士は、この隕石の落下地点で手がかりを探すため、三国山脈に近い弓が谷という場所へ案内してもらうことにした。

万城目のヘリコプターで現場に行ってみると、弓が谷は熊谷ダムのすぐ近くにある。昔その付近にあった村が、ダムの底に沈んでいた。
『この辺は昔から、落雷やガラダマのメッカなんです』

この辺では、隕石の事を「ガラダマ」と呼ぶ習慣がある。ヘリを見て、隕石を見つけた小学生の守君とその友達が集まってきた。守君の話では、ガラダマはフワフワとまるで紙が舞うように落ちてきたという。守君の友人が一の谷博士に訊ねる。

『隕石って何ですか?』
『流れ星が全部蒸発しないうちに、地球に到達したものを言うんじゃよ』

『どうして地球と衝突しないんですか?』
『宇宙はとっても広いから、地球に当たる確率はものすごく少ないわけだよ。それに地球は厚い空気の層があるから、そのほとんどが摩擦熱で蒸発してしまうんだよ』

ガラダマを見つけた地点に案内された一の谷博士は、現場に開いた穴がとても小さいことに驚く。が、突如轟音と共に空から炎をまとった巨大なガラダマがダム湖に落下した。ダム湖は干上がり、ダム湖を遊覧していた遊覧船が、その衝撃で崖の上に引っかかってしまっている。

船内には女性ふたりが閉じ込められていた。万城目は近くの民家から電話を借りて、毎日新報の江戸川由利子へ連絡を入れた。話を聞いた由利子は、東南大学物理学教室へ出かけていく。一の谷博士が、少年の見つけた隕石を分析した大学であった。

一方、ダム湖に落下した巨大な隕石に亀裂が入り、それがざっくりと割れて、中からモンスターが出現した。高台からそれを目撃した一の谷博士と万城目達は驚く。モンスターは、平たい二本の手のひらを身体の正面にぶら下げて、への字に曲がった口を開け閉めしながら、あちらこちらを歩き回った。

新聞記者の由利子が東南大学の研究室に着いてみると、少年の見つけた隕石から電波が出ていることを知る。記者の直感で、この隕石とダム湖に落ちた巨大な隕石とは、何か関係があるとにらむ由利子。だが、研究員たちは確たる証拠が無い限り、そんな突飛な話には耳を傾けようとはしなかった。

ところが、臨時ニュースで、ダム湖に落ちた隕石からモンスターが出現したことを、由利子と研究員達は知る。ダム湖のモンスターは、あちこち不規則に歩き回りながら、少しずつひっかかった遊覧船の方向に向かって来ている。

万城目と一平は縄梯子(なわばしご)を遊覧船まで降ろして、閉じ込められた女性ふたりを助けだすことに成功した。

一の谷博士は、このモンスターと隕石とを結び付けて考えだした。あの隕石から出る怪電波が、このモンスターを操っているのではないだろうかと。モンスターを運んできた巨大なガラダマは、チルソナイトに色がそっくりだからだ。

『我々人類より、はるかに進んだ頭脳と文明を持つ遊星人の産物だ。彼らはまず、自分に代わってモンスターに命令を与える電子頭脳を先に送りこみ、それからモンスターを打ち上げた・・・』

由利子は直感で、この隕石が発信する怪電波は、ダムに出現したモンスターを操っているのでは、と考えた。研究者達も由利子の考えに少しずつ同調して、いろいろと試してみる。まず電気ノコギリで解体しようと試みるが、傷もつかない。だがその頃、モンスターは地面の上でのたうち回っていた。

電気ノコギリをあきらめると、モンスターはまた活動を開始した。ダムを破壊して、東京方面へ行こうとしているらしい。一の谷博士に言わせると、電子頭脳の有る所へ向かっているという。

相変わらず、怪電波を激しく発信する隕石。
『そうだ!電波を遮断できないかしら』

由利子の提案で、次に電波遮蔽網(でんぱしゃへいあみ)を上からすっぽりとかぶせてみた。するとオシログラフに描かれた波形が消え、電波の発信が止まった。

それと同時に、ダム湖のモンスターは腹を押さえ、口からよだれのような透明な液体を流してガックリとヒザを折り、目を閉じて動かなくなった。

【ナレーション】
これでモンスターの地球侵略が終わったわけではありません。たとえ電子頭脳を破壊したとしても、遊星人は第二第三の挑戦を仕掛けてくるかもしれないのです・・・ (終わり)


★★★★★★★★★★★★
高山造型の傑作のひとつが、このガラモンだろう。映像で見ると、上半身と足とは別々に造られているように見える。上半身を被ってから、ブーツのように足を履くような感じではないだろうか。

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